「解けない問題」は、そもそもイシューではない
どのようにアプローチをしようとも、既存のやり方・技術では答えを出すことがほぼ不可能な問題は、実は数多く存在する。
たとえば、 「なぜ重力も電磁気的な力も、三次元空間にありながら距離の二乗に反比例するのか」 という問いは非常に興味深い。しかし、現時点では答えを出せる見込みがほとんどない。
この種の問題は、どれほど本質的で、どれほど魅力的であっても、今は関わるべきではない。 なぜなら、「答えを出せない問い」は、よいイシューとは言えないからだ。
問題は無限にあるが、解くべきものはごく一部
一見すると重要そうに見える問題でも、次のようなものは大量にある。
- 解く方法がまだ存在しない
- 技術的・制度的に手をつけられない
- 今の段階では成果に結びつかない
仮に、気になる問題が100個あったとしよう。その中で、
- 今、本当に答えを出すべき問題は2〜3個
- さらにその中で、今の手段で答えを出せる問題はその半分程度
つまり、
「今、本当に答えを出すべきで、かつ答えを出せる問題(=イシュー)」は、全体の1%程度 にすぎない。
残りの99%は、「問題っぽい」だけの存在だ。
ビジネスには「解けない問題」が溢れている
ビジネスの現場にも、解けない問題は山ほどある。
-
「誰も絶対に辞めない会社をつくる」
辞める人の比率を下げることはできても、強制や監禁なしに「絶対に辞めない」状態をつくる手法は存在しない。 -
「この製品を1秒でつくる」
現在の技術では実現手段がない以上、イシューにはなりえない。
これらは願望としては理解できる。しかし、解く手段が存在しない以上、解くべき問題ではない。
会議は「99%の問題」を1%のように扱ってしまう
厄介なのはここからだ。会議が開かれると、本来は解く必要も、解ける見込みもない問題が、 あたかも重要課題であるかのように、あたかも今すぐ解決すべきであるかのように扱われてしまう。
その結果、次のような有限資源が99%の「問題っぽいもの」に吸い取られていく。
- 有限な時間
- 有限な人材
- 有限な思考力
中小企業だからこそ、イシューしかやるな
資源が潤沢な企業なら、多少の無駄打ちも耐えられる。しかし、資源が有限な中小企業にそれは許されない。
だからこそ、強調したい。
- 力を入れるべきは イシューのみ
- 解けない問題には、そもそも手を出さない
- 「重要そう」ではなく「今、解けるか」で切る
イシューのみだ。イシューのみだ。
それ以外は、勇気をもって「考えない」「議論しない」「会議に載せない」。 それが、有限な力で成果を出すための、もっとも現実的で、もっとも重要な判断である。
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